核抑止論から逃げる日本は滅びる クライテリオン 分析レポート
このサイトのデザインの良いところ
キノコ雲の形は、間違いなく核の恐怖を思い起こさせる。
実際の長崎広島の原爆投下の写真を見てみると、どれもこのようなキノコの形になっている。
この画像のデザインは、原爆投下の様子を写実的に描写しており、読者に危機感を与えている。
ただ、地の描写は、真っ平な荒野になっており、現実的に考えたら、
キノコ雲と同時に地面がまっさらになることは、不自然なようにも思えるが、
おそらくこのデザイナーは、写実性よりも象徴性を強調、誇張し描かれた画像だと思われる。
日本の文明が崩壊した様子を一枚絵に表したかったのだろう。

このサイトを読んで感じたこと
この筆者の意見は、リアリズム、現実主義の立場の意見である。
特に本文では、「核の傘」「日米同盟」に対して強く批判されている。
しかし本文を読んでいくと、私はこの筆者の意見は、ロジックと史実に基づく批判であると思った。
私は、このサイトに書かれている内容を、自分なりに解釈し、整理してみることにした。
筆者は文中で「戦後の日本では左派は平和、平和の一本鎗である一方、〜〜。一見対立しているように見えますが、両者ともにアメリカの核の傘、つまりアメリカの庇護を前提にプロレスをしてきたのではないかとも考えられます。」
と述べているが、
左派というのは、
平和外交が安全保障なので、軍備縮小、核廃絶を望む意見であるのに対し、
右派は、
日米同盟最優先、親米保守の意見であると、私は解釈した。
そして、この二つの意見は、一見対立しているように見えるが、
この二つの意見は、「アメリカが本当に日本を守ってくれる」という大前提の元で、理想論(左派)と従属論(右派)の、表面的な色分けでしかなく、根本的には同じ話をしているのではないだろうか?という筆者の問いかけのように、私は解釈した。
筆者はまた「「アメリカがその核を日本防衛のために使うかどうか、」「アメリカが核報復するかどうかというと、なかなか難しいだろうという感じはある。」と述べている。おそらくこの部分が、筆者が最も主張したいことだろう。
私はこの筆者の発言について、深掘りするのが良いと考えた。
アメリカは、日本が襲撃を受けたら、相手国に核を使わなければならないという「核の傘」が存在するのだが、
もしその時に本当に、アメリカが相手国に核を撃ったら。
相手国からアメリカが反撃を受ける。
アメリカのニューヨークなどの都市が、破壊されるかもしれない。
そしたらアメリカ国家滅亡。
アメリカは果たして、同盟国のために、そこまでリスクをとってくれないんじゃないか?アメリカ文明が滅びるくらいなら、日本を見捨てるのが合理的?という警告を、この筆者はしたいのでは?と私は解釈した。
この筆者は本文の後半では、私なりに要約すると、「日本の政治家やエリートは無責任だ、核の傘を疑う発言をすると、昇進できなくなる」とのような意見と「日本の男は、もし日本が戦争になったら戦うと答えた日本人は13%だ、日本の男は臆病だ」という意見を言いたいのでは、と思われる。
結論何が言いたいのかというと、
「日本は誰が守るの?」ということなのではと私は思った。
今までの話を踏まえると
・アメリカの核の傘は信用できない
・日本の政治家やエリートは、核の傘を疑うような発言ができない
・国民も戦う意志がほとんどない
このことから、
この筆者はおそらく、「誰も日本を守らないまま、滅びるのか?」ということ問題視していると、私は感じた。
うーん、私がこのサイトの本文を読んだ印象としては、
挑発的な表現が多いと思った。
「日本の男は世界一臆病」「日本のエリートは駄目だ」という言葉は、強烈だと受け取られる可能性がある。
普通の論文や新聞記事なら「懸念される」「課題がある」のような言い換えがされる。
また、日米同盟の根本を否定しており、私個人的には、そういう意見も重要だと思うが、
「アメリカは守らない」という話は、日本の安全保障を揺さぶるため、一般メディアでは非常に扱いにくい。
不都合な現実に踏み込んだ主張や論理展開ができるのは、論壇、オピニオンメディアサイトらしいなと感じた。

※今回の考察は、この元サイトの筆者の立場や思想に沿った場合の私なりの解釈であり、他の立場からは異なる結論も導かれうる。