天草四郎観光協会 分析レポート
この天草四郎観光協会のウェブサイトは逸品だ!
私はこのサイトを見つけた瞬間、心躍った。
このサイトについて
熊本県の天草四郎観光協会が運営するサイトで、観光客のために天草四郎について解説している。
このサイトの工夫されている点
ページ上部のメニューバーは、スクロールしても固定されている。それだけでなく、「泊まる」「グルメを楽しむ」の列にあるボタンにマウスを重ねると、ボタンがふわりと浮く動作が起こる。
少し画面をスクロールすると、「上天草と天草四郎のつながり」の章に入るその時、半透明だったのに文字や、天草四郎の公像のバックグラウンドイメージが浮き上がった。
説明文に、半透明の白いバックグラウンドカラーとパディングを使用することで、バックグラウンドイメージと区別し、読みやすくしている。

次に「こぼれ話」に進むと、デフォルメされた天草四郎と、説明文が書かれた吹き出しが浮き上がった。
続いては、「天草四郎とはどんな人?」の見出し文と説明文、バックグラウンドイメージには天草四郎の絵画が浮かび上がる。
続いて、「天草四郎ゆかりの地 湯島(談合島)」とその説明文と半透明のパディングで囲われたバックグラウンドカラー、バックグラウンドイメージは湯島。そのすぐ下には夕陽を映した湯島が浮かび上がる。
その下には、「サイトマップ」のボタンがあり、クリックすると、折りたたまれていた、様々なページにすぐに飛べる数多くの目次が開かれた。
最下部は、天草四郎観光協会のアドレスが記載。

このサイトのデザインの良いところ
サイト全体はマリン色のボタンや背景色を主に使われており、それに加えて海の写真が多く使われているところが、確固たるコンセプトを完璧に築き上げている。
天草四郎にとって、「海」というのは、信仰や希望、再生の象徴、そして死の象徴だったと私は考えている。
サイトの冒頭で「上天草は自由と平和を夢見た、歴史の舞台」と謳われているので、
間違いなく天草四郎のイメージカラーはマリン色であると断言できる。
この点は非常に重要なので、深掘りすると、
- 天草四郎は「天草」という海に囲まれた島で育った。
- キリスト教の宣教師らは海からやってきた。さらに海は「パライゾ(天国)」と繋がる場所でもある。
- 湯島で海に囲まれながら、軍事行動に関する密談を行ったり、武器製造をした。
- 島原天草一揆の最後の激戦区である原城跡も浜辺があり海がいつも見えた。
- そして天草四郎処刑後、首は海に流され、海に還った。
こういった天草四郎のエピソード全てが海と関連しているのは明白だ。
なのでこのサイトでマリン色を基調としたデザインを施したことは、大正解である。
そしてこのサイトは写真を全てバックグラウンドイメージで魅せている。他の歴史系サイトだと、文章の横に写真を表示するスタイルのサイトがほとんどである中で、デザインはトップレベルで練り込まれている。
天草四郎という神の子と呼ばれた神秘的な人物を取り上げるのに相応しいデザイナーとライターだ。