No.085 映画 子宮に沈める 孤独が、母を追いつめる。

映画 子宮に沈める 孤独が、母を追いつめる。 分析レポート

 

 

このサイトのデザインの良いところ

メニューバーには、血みどろモチーフが使われている。

「子宮に沈める」というタイトル表現に、血のモチーフを重ねることで、

母体(子宮)が、子供を守る役割ではなく、子供の死の場所、というメッセージを、込めていると推測する。

また「子宮に沈める」の意味は、「子宮=母子家庭の密室アパート」に(子供を)沈める、というメタファーでもあるのかなと思ったので、

血のメニューバー=死の場所という比喩なのかと感じた。

(あと、映画の話になってしまうが、

映画の最後のシーンで、母親が、死んだ子供たちのいるアパートで、自分の股(子宮)に編棒(編み物に使う棒)を刺して、流血するシーンがあり、

血のメニューバーはそれも関係しているのかなと思った。

母親として失格、もう母親として生きられない。という自己否定、そして、子供を死なせてしまったことへの罪悪感による自罰、自傷。そのようなメッセージも、このサイトの血の描写に込められていると思った。)

 

 

映画 子宮に沈める 孤独が、母を追いつめる。 イケてるキノコ|Webサイト100選
映画 子宮に沈める 孤独が、母を追いつめる。 イケてるキノコ|Webサイト100選

 

 

 

 

このサイトを読んで感じたこと

この映画は、家庭崩壊による児童虐待、ネグレクト死をお題にした映画である。

実話をもとに作られており、2010年にニュースになった「大阪2児放置死事件」をモデルとしている。

私はこの映画を観たことがある。私が高校生の時に、ツタヤで借りて観た時の記憶だが、

その時の印象も交えて、今回のサイト分析レポートを書いてみようと思う。

このサイトの「あらすじ」をクリックすると、

物語の導入部分が解説されている。

私なりに短くまとめると、

「夫と離婚したシングルマザーが、2児とアパート暮らしをする。

長時間パートで生活費を稼ぎながら、資格の勉強。子育て家事もこの女性一人で行う。

また、若くして結婚したため学歴職歴はない。」

ということが書かれていいる。

そして、「イントロダクション」をクリックすると、

監督脚本家の思いが綴られており、

「マスコミは連日のように、この事件を取り上げ、容疑者であり、遺体で見つかった2児の母でもある下村早苗を非難しました。この事件のニュースを知った時、私はショックを受けると同時に、マスコミや世間の一方的な母親へのバッシングに違和感を感じました。そこには、私の妹が19歳でシングルマザーとして家事、育児をしながら、肉体も精神も疲弊していく姿を見てきたからかもしれません。」と監督は文中でこう述べている。

要は、このサイトが問題提起したいことは何なのかというと、

「母子家庭の子供の虐待、ネグレクトについて、母親だけが非難されるのは、酷なことではないか?」ということである。

(また、映画の中では、私が観た印象としては、

母は最初は、強いお母さんとして頑張るんだ!二人の子供を自力で育てていこう。

という前向きな姿勢が見られたのに、

長時間パートで毎日帰宅が遅くなり、帰っても言うことを聞かない子供、子供が散らかした後の片付けや掃除家事、夜遅くまで資格試験の勉強。という毎日で母の精神は疲弊し、

次第に水商売をするようになり、

ついには、心の拠り所にしていた男の所に、母一人だけで長期滞在。子供2人はアパートに閉じ込め置き去り。そして、最悪の事態に。

といった、シングルマザーの孤独孤立からの、家庭崩壊。というのが生々しく伝わる映画表現だった。

特に印象的だったのは、母は最初は質素で簡素な服装、外見だったのに、

次第に露出の多い服装やアクセサリーやネイル、濃い化粧やヘアメイクなど、ケバい見た目に変わっていったところや、アパートがだんだんゴミだらけになり散らかって汚くなっていくところが、母の精神状態を外見と部屋の様子に映し出しており、母の心が壊れていくのと比例していっていると感じた。)

このサイトのサブタイトルである「孤独が、母を追いつめる。」の意味は、

母は、孤立無援だったということだと思われる。

私個人的には、

女性一人で、全ての責任、2児の育児の責任を背負うのは、重すぎた。しかも、19歳で学歴職歴無しシングルマザーが、全てを完璧にひとりでやるなんて、どう考えても難しいことだと思う。

私は20代前半で、この母親と歳が近いのだが、私がもし2児をひとりでお金を稼ぎながら育てろと言われたら、絶対にできないと断言できる。

香山リカ(精神科医)のオピニオンimidas「大阪の2幼児死体放棄事件はなぜ起きた?(2010/08/19)」では、「母親なら、何を犠牲にしても誰も手伝ってくれなくても、とにかく子育てに打ち込むべし。こういった価値観が、子を持つ女性たちにはかり知れないプレッシャーを与えることがある。」「孤立している母親たちに説教したり、何かの教訓を語ったりしても、何の解決にもならない。」と記事の中で発言されている。

私は、この母は、辛すぎて、

全ての生活や子供を投げ出して、男の所に行ってしまったことについて、

この母は解離性遁走のような症状、極度のストレスやうつ症状による、逃避的行動だったのでは、と私は推測する。これは、単なる怠惰や、遊び人の若い女、という世間のレッテル貼りは、あまりにも想像力に欠けた発言だと思う。

そして、元夫は無責任だ。育児放棄に加担しているのと同じなのに、元夫は無罪である。

親権が母にあるなら、元夫は法律上は無罪になってしまうのだが、

母子のアパートの暮らしの様子から考えると、夫の養育費振り込みも無かったのでは?と推測される。

しかし、母の行った犯罪(2児をネグレクト死させた)ことについては、決して肯定できるものではないというのは、私も理解はしている。

このニュースから学べることは、

もっと社会が母子家庭を支援できる仕組みを作るべき。ということだ。子育ては、ひとりではできない。そして、本当に追い詰められていると、セーフティネットを探す心のゆとりすらない。

香山リカ氏は「育児の社会化」と発言している。

子育てを、産んだ女性にだけ押し付けるという仕組みや価値観、社会通念、常識のままだと、またこの悲劇は繰り返されるだろう。

私たちは、真剣に考えるべきだ。

 

映画 子宮に沈める 孤独が、母を追いつめる。 イケてるキノコ|Webサイト100選
映画 子宮に沈める 孤独が、母を追いつめる。 イケてるキノコ|Webサイト100選

 

 

参考にしたサイト、出典

(

https://imidas.jp/josiki/?article_id=l-58-060-10-08-g320

)

 

イケてるキノコ|Webサイト100選

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です