みんなで考えよう。核兵器のこと 分析レポート
このサイトについて
核兵器廃絶長崎連絡協議会と長崎大学核兵器廃絶研究センターによって作られたサイトである。
他の核ついてのサイトと明らかに違う点は、
用語解説と、データの提示が多いところだ。説得力と視覚デザインは、核兵器解説サイトの中で、トップレベル。
正直私的には、全国の高校や大学の教材として使ってもらいたいと思った。
このサイトのデザインの良いところ
歴史系政治系のサイトの中では、飛び抜けてデザインにこだわりがある。このデザインのテイストは、美大受験の平面構成、色面構成のようなビジュアルだと思った。
グラデーションを使わずに、4色ほどの色をベタ塗りする感じが、おそらくこのデザイナーはアナログ系やグラフィックデザインが得意な印象を受けた。
核が並んでいる描写が、まるで模様、柄のようにも見える。その表現は、意味も持たせつつ、スタイリッシュな雰囲気も出しており、それが素晴らしい。このデザインを採択した必然性を感じた。

このサイトを読んで感じたこと
このサイトは、理想主義、核廃絶派の筆者が書かれたものである。
文中で「核兵器を二度と使わせないための唯一の保証は、核兵器廃絶である」と述べられているが、おそらくここが、筆者が最も主張したいことだと思う。
だが、この文章を、もしリアリズム、現実主義の人が読んだ場合、おそらく
「核兵器廃絶の世界を本当に想像したことがあるか?」と思うかもしれない。
確かに、日本は唯一核を落とされた国である。
その悲劇を二度と繰り返したくないという理想主義者の思いは、日本人であれば当たり前の感情である。
しかし、現実主義者は、
核の恐ろしさを、日本を使って試されたからこそ、核武装すべきである。相互確証破壊が本当の平和である。
もし核がこの世から無くなったら、
また第二次世界大戦前の、戦争だらけの時代に巻き戻るだけ、
核を日本を使って試される前は、通常兵器での大規模戦争が頻発していたじゃないか
と考えるだろう。
なので、このサイトが最後に述べている「「核兵器に頼らない安全保障」をめざしていくことが重要になります。」は、具体的にどんな政策をしたら良いのか、この点について、具体的な案を教えて欲しかったと私は思った。
その文の後に続いて「北東アジア非核兵器地帯の創設に向かうことはそうした努力の一つです。」と一応書かれているが、これは、解決策というよりは、実質的には政治的メッセージであり、それ以上の効果は期待できないと思った。
