東京都人権啓発センター 旧優生保護法 分析レポート
このサイトについて
このサイトは「東京都人権啓発センター」という、主に人権問題に関するイベントや講演会を開催する、人権啓発活動を行っている団体が運営しているサイトである。
今回のページは「旧優生保護法が教えること」というテーマである。目的は、優生思想という思想の存在を例にあげ、自分の思う正しさを見直す、ということだと私は思った。
このサイトのデザインの良いところ
「TOKYO人権」のタイトルのバックグランドイメージは、タイポグラフィがアーティスティックで、人権啓発サイトにしては珍しくデザインにこだわりがあるな、と感じた。

よく見るとアウトラインが、手描きのようだ。
福祉系や社会系のサイトは、緑と白の配色が使われることが多いと私は思う。
しかしこのサイトは、ピーチ色を使用している。ピンクという色は、一般的には、女子向けというか、ポップな印象や、ファッション系のような雰囲気もあるのだが、
このサイトは、コーラルピンク、サーモンピンクという、青みがかったピンクとは違う、オレンジに近いピンクを使うことで、
「こころの温かさ」「親切心」のような印象を与えたかったのだと感じた。
このサイトを読んで感じたこと
私は、強制不妊手術は、
「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」という大義名分のフリをした、差別虐待であると考えている。
特に、国民優生法から優生保護法に規定が変わったタイミング(1948年)から、急激に強制不妊手術の件数が上がっていった。
その原因は、遺伝性疾患を持つ者だけが対象だったのが、優生保護法に規定が変わったことで、精神疾患など、遺伝性疾患かどうかが不明な人々までが、対象となってしまったからだと、私は考えている。
その根拠として、
・GHQから「医学的根拠への疑問」「遺伝性と証明されていない症状を含む疑念」が指摘された。
・強制不妊手術が減少していったタイミングで、精神病床は激増。
要は、精神障害、知的障害の人たちを、手術で管理するのではなく、隔離収容で管理し、封じ込めようとした可能性を、私は感じた。
ハンディキャップを支えるよりも、強制不妊手術をした方が安く済む。そして強制不妊手術よりも隔離収容の方が安く済む。という、コスト政策の思考回路にしか思えなかった。
文中で「1970年代から当事者団体によって『旧優生保護法の“優生”はナチスと同様の優生思想に基づくものだ』といった抗議運動が行われていました。」と述べられているが、
ナチスドイツの優生政策と、日本の旧優生保護法について、発想や仕組みはほとんど同じだと私は感じた。
「命の価値を能力で選別する」これは正しいかどうか、考えてみましょう。
