第一生命経済研究所 石破首相辞任、続きそうな政局リスク 分析レポート
このサイトのデザインの良いところ
このサイトは冒頭に「要旨」という枠を設けているのが、ニュース解説サイトとしては珍しいと感じた。
一般的なニュースサイトでは、冒頭に「リードぶん」を置くことは普通だが、
このサイトは、経済系研究レポートサイトなので、良い手法だと感じた。
読者としては、本文の長文を読む前に、「要旨」の枠内を見ることで、効率的にポイントを把握できるため、素晴らしい工夫である。

このサイトを読んで感じたこと
今月9月7日に、石破首相が辞任を表明された。
最初の章「ポスト石破」では、
石破首相が辞めたことにより、政局が不安定になっていることに注目されていると思われる。
文中で「石破首相の辞任を受けた9月8日の株式市場は、午前中に前日比700円以上も大きく上げた。為替レートは、先週の雇用統計発表でドル安・円高に傾いた流れが一転して元の円安水準に戻した。」と述べられているが、
株価は辞任発表直後には大きく上がったのに、すぐに下がったため、先行きが不透明になっている。
そして、誰が後を継ぐかで、経済政策や市場の反応が変わるので、
石破首相の次を担う人物が誰なのか、注目されていると思われる。
次の章「短命政権のリスク」では、
「理由は、今の自民党が少数与党の立場であることに起因する。」と述べられている。
今の自民党は、議席が少なく、野党の協力がないと何もできない状態になってしまっているため、それにより、不安定になってしまい、長続きせず、短命政権となってしまっていることに注目されていると思われる。
私的には、短命政権だと、政策に一貫性がなくなってしまうため、投資家が不安になってしまい、その結果円安に振れやすいと考えている。
またこの筆者は「経済対策として、大型補正予算を組もうとすれば、長期金利の上昇リスクが高まるかもしれない。」と述べており、
私としては、国民の不安を和らげるためには即効性は期待できるかもしれないが、長期的に考えると、国の借金が増え、金利上昇リスクがあるので、諸刃の剣だと私は思った。
3つめの章「対トランプ関税」では、
対トランプ関税は、赤沢大臣が実務を担っていたが、政治責任は石破首相にあったため、
石破首相が辞任されると、政権そのものが変わってしまうため、赤沢大臣を留任させるかどうかも不透明になってしまう。
文中で「石破首相が辞任会見でも「関税合意を全うできなかったことが心残り」と発言」と述べられているので、
このことによりアメリカ側は、「本当にその投資は実行してくれるのか?」という心配につながってしまい、関税交渉自体が振り出しに戻る懸念がある。ということをこの筆者は問題視していると私は解釈した。
4つ目の章「国民からの厳しい目」では、
石破首相が辞任し、自民党の信用が下がり、それを回復するために、短期的なバラマキがたの財政拡張するという状況に対して、
国民は不信感があるということを、筆者は問題視していると私は解釈した。
短期的な財政拡張では信用は戻らないという懸念。
最後の章「日銀はどう動く?」では、
新政権の体制や経済政策が固まるまで、日銀は様子見せざるを得ないということだと思われる。
文中で「もしも、ポスト石破が高市氏に傾けば、前述のように年内利上げは難しくなろう。」と述べられているので、
もし高市氏が首相になれば、利上げはされないが、小泉氏が首相になれば、利上げの可能性がある。
このサイトを読んでみてのまとめとしては、
政局の不安定さが経済政策、市場動向、国際交渉、金融政策にまで波及するという連鎖であり、その繋がりを、このサイトはとても上手く表現されている。
とくに、日本国内においては、政治と経済の結びつきが強く、政局リスクが市場や国民生活に直結するということを、この筆者は強調されていると感じた。
単なる政局報道のようなサイトの書き方では無く、経済から生活への影響を意識させるという文章表現が、読者を引き込むことに成功しているので、とても意義が大きいサイトだ。
